フェラーリを買ったらどうなる? 「関係者」8名の証言 (回顧録11)

公開 : 2017.10.29 06:10

証言7:「あたしはセレブです わっはっは」

名前

ニック・メイソン

所有車

2004年型エンツォ

F50にはイマイチその気になれませんでしたが、エンツォは最初からぴたりときました」と語るのは、ピンクフロイドのドラマーでフェラーリ・エンスージァストとして知られるニック・メイソンだ。

「エンツォは『完全にロード・ユース』というコンセプトがいいですね」

メイソンにとって13台目のフェラーリとなるエンツォは、昨年7月に納車されてから2500kmを走っているが、すでにクラッチの交換で約60万円の出費を強いられている。

「わたしはほかのオーナーより使い方が荒いかもしれません。でも最新のレーシングテクノロジーを導入したハイエンドモデルのクラッチが『消耗品』で、保証外というのは腹立たしいですね」

併せて所有するF40の場合、5万kmを過ぎても大きなトラブルは出ていないというのだから、確かに彼が怒る気持ちもわかる。もっとも、エンツォほどのスーパーカーのクラッチ交換にかかる費用としてはそう極端に高いわけではない。

「わたしの知る限り、マクラーレンF1をサービスセンターに預けたひとで、請求書の金額が200万円を切ったひとはいませんね」とメイソン。

エンツォはスパルタンなF40よりもロードカーとしての適合性は高いが、問題が皆無というわけではない。

「斜め後方の視界がまったく死角になってしまうのです。わたしはマクラーレンF1にモニターカメラを取り付けましたが、エンツォにもその必要がありそうです。また、エグゾーストノートは素晴らしいのですが、イギリスのサーキットで走らせるにはうるさすぎて、サーキット走行会に参加できません。F40は大丈夫なのですが……」

「でも視界の悪さを除けば、とても運転しやすいクルマです。フェラーリが投資目的ではなく、それを実際に使いたいと思うひとにエンツォを販売した点も評価しています」

うーん、やはりフェラーリ・セレブは視点が違う。

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