クルマの名前、どうやって決める? ひとに響く「4つの方法」
公開 : 2017.10.29 11:40 更新 : 2017.12.14 12:31
造語のモデル名が増えてきた理由
造語や既存の単語を変化させたモデル名が増えてきたのは、実在する単語で使用できるものが足りなくなってきているから。
「実在する単語を使ったネーミングは、1990年代の半ばに商標登録の件数がピークに達してしまったんです」とピラーは言う。「現実的で情緒的な、楽しい、顕著な単語が徐々になくなってきましたし、自然な響きのする単語を見つけるのが難しくなってきましたね」とのこと。
それに対する自動車業界の対応策は市場にも浸透してきた。
キャシュカイやカロクに使われているQやKといった文字はSUVクラスの耐久性を表現し、アイオニックやボルトに使用されているEやIは、電気自動車やハイブリッド車の科学的な響きがする名前に用いられることが多い。
ピラーによれば、「1社が独特なネーミングで賭けに出ると、他社もそれに倣うようになります」とのこと。「今やほとんどのSUVに技術的な響きの名前が付けられ、KやQのように扱いが難しい文字を使うことも定着してきた。そうやってひねりだした名前は、商標登録しやすいというメリットもあります」
ブランディングのプロは、どの国でもその車名が通用すること、そしてコンピューターが作り出す名前よりも心に響くものにることを請け負う。過去には、ある言語や文字から別の言語にうまく翻訳できない名前もあったからだ。