80年代ヒーロー対決 M3スポーツ・エボ vs シエラRSコスワースvs 190E 2.5-16(1)

公開 : 2017.11.03 11:40  更新 : 2021.01.30 21:04

BMW M3スポーツ・エボリューション編

世界が送った「熱視線」 いまは?

年季の入ったエンスージァストなら、初代BMW M3の現役当時の輝きをご存知だろう。AUTOCAR英国版が1987年3月に行ったロードテストでは、当時5点満点だった結論のところに「10点満点だったら9点の評価を下したい」という意味深なコメントとともに「伝説がまたひとつ生まれた」という記述が残されている。

初代M3は1987年にリリースされ、その後、エボリューションI、II、ラバーリアと続き、1990年にスポーツ・エボリューションで締めくくられたが、今回われわれが試乗したのは最後期のスポエボで、かなりレアモデルといえる(もっとも多かった年でも年産62台に過ぎない)。

ちなみに正規の英国仕様はたったの38台で、当時の価格は約900万円だった。今回テストに連れ出した個体は、オーナーのクレイグ・スミスがイタリアから輸入した並行ものである。

取材当日、集合場所に最後に到着したこのM3スポエボは、「これぞM3!」と拍手を送りたくなるような迫力満点のルックスで、パーキングエリアにいた周囲のひとびとの注目を集めていた。

エッジを効かせた直線基調のボディは、デザイナーの手を借りずにエンジニア自らが定規を片手に線を引いてしまったような大胆なシルエットだ。

最近のDセグメント・クーペと比べると明らかに小振りのドアを開けてシートに座る。コックピットは端的に言って窮屈だが、旧き良きスポーツカーとしての雰囲気は満点。

ステアリングホイールとサイドブレーキ、そしてシフトレバーは手触りのよいスエード張りで、質感、見栄えともに最高のフィニッシュを見せる。今から17年前のクルマであるにも関わらず、スポーツカーらしいコックピットの演出力では最新のM3に勝るとも劣らない。

運転してみるとどうだろう?

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