究極のスポーツカーはどっち? ポルシェ911GT3 vs ルノースポール・メガーヌR26
公開 : 2017.11.04 16:10
メガーヌの対戦相手 価格4.4倍の最終兵器
われわれはすぐさま対戦相手の選考を始めた。アウディRS4は?
ダメだ。
ガラガラに空いたアウトバーン以外の場所で、俊敏かつスタビリティの高いR26が重量級のアウディより遅いなどとは考えられない……と、こんな調子で、われわれは選考を重ねていった。その真剣さといったら、代表選手を選出するサッカー代表チームの監督もビックリなくらいだったと思う。たぶん。
どのくらい時間が経過したときだろうか。TVRサガリスを相手に最後の晴れ舞台を組んでみてはどうかと誰かが提案した。一時はメンバー全員が納得し、大いに盛り上がった。
しかし、長丁場の議論でも冷静さを失わずにいたひとりが指摘する。「サガリスは確かにストレートでは信じられないくらい速いけど、カントリーロードに入った瞬間にR26の姿を見失うんじゃないか?」と。
そして最終的には写真をご覧の通りである。
結局のところ、われわれは系統樹を頂点までたどってしまったのだ。
ポルシェ911GT3は、われわれのいちばんお気に入りのハイパフォーマンスカーだ。いわばいきなり切り札を切ったのである。われわれがどれだけR26に感銘を受けているかが、これでご理解いただけると思う。
ステージがサーキットのみであれば、GT3RSを選ぶべきであろう。しかし今回は、公道走行寄りのGT3が適任だ。さらにR26と条件を揃えるべく、オプションを少し加えた仕様を用意することにした。
まずは無料オプションのクラブスポーツ・パッケージで、これにはリアシート・レスとロールケージが含まれている。さらにカーボンファイバー製の軽量バケットシート(62万6000円)とカーボンセラミックブレーキ(116万円)、オマケにカーナビゲーションである。合計すると、このGT3の価格は1753万6000円になる。つまり、R26の4.4台分ということだ。
こういう仕様を用意した時点で、読者諸氏のなかには「911が負けて大逆転が起こるように仕向けているんだろう」とお思いになる方がいることはわかっている。
そしてそういう方は、おそらく最終章に「400万円のルノーは1800万円のポルシェの8割ほどの実力だった。けれどそれに要した燃料は半分である。したがってルノーの勝利であり、万能のポルシェは窮鼠に噛まれることになった」と用意されていると予想しているのだろう。
それはちょっと違う。