世にも奇妙なクルマ物語 知られざるトリビア いくつ知っている?(4)

公開 : 2017.11.04 06:10

ローバーのガス・タービン列車が存在する

1950年にローバーはJET1と呼ぶガス・タービンを動力源とするプロトタイプを開発した。1967年にレイランドに買収されるまでローバーはこの開発を継続したが、レイランドのボスがこの技術をよりトラック向きだと判断したため、この開発作業はランカシャーにあるレイランド社に移されることとなった。

1970年代初頭、イギリス国鉄は車体傾斜式の先進旅客列車の開発を行っており、この列車は英国内の古く、曲線の多い路線を201km/hで走る計画であった。

イギリス国鉄は、原理的にはガス・タービンであるロールス・ロイス・ダートの航空機用エンジンを使って実験用APTの製造を計画した。その後、彼らはローバー製ガス・タービンを使って巨大な交流発電機と、それによって電動トラクション・モーターを駆動させることにした。これは正にわれわれの知るレンジ・エクステンダーEVの始まりである。

この技術は、鉄道に必要となる何百マイルもの送電線敷設に必要なコストを掛けることなく、ガス由来のクリーンな電気で電車を走らせる事ができるようにするものであった。

プロトタイプのAPT-Eには10基のガス・タービンが積まれ、1975年にはスウィンドンとリーディングの間で245km/hを記録している。1976年6月にテストは終了し、車両は現在シルドンの国立鉄道博物館に保存されている。

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