試乗 ステップワゴン・スパーダHV車 「直動」がキモ
公開 : 2017.11.04 12:40
どんな感じ?
トルクの立ち上がり制御が〇
ハイブリッドの導入は燃費の向上が一番の魅力になるが、動力性能の向上も大きな長所である。ざっくりとした運転感覚では2.5ℓ級に勝るとも劣らない力感を示した。
低中速域では電動モーターの特性を活かしたドライバビリティが印象的だ。発進ではアクセルを軽く踏み込んだ瞬間にぐいっと動き出す。トルクの立ち上がりは滑らかに制御されているので、極低速のコントロール性もいい。走り出しても加速応答性のよさが踏み込み量の減少にも繋がり、同様の走行条件でもターボ車より浅く穏やかなペダル操作で済んでしまう。
駆動モーターへの電力供給はエンジンと駆動用バッテリーから行うが、走行中はエンジン稼働が基本となっている。当然、ペダル操作に対するエンジンの発電量はタイムラグがあるが、発電量の応答遅れ分は駆動用バッテリーが充当させるので、電気自動車同様にペダル操作にリニアな加速を示すのだ。
この時のエンジン制御も見所のひとつ。低中速域ではエンジン直動は行っていないのに、エンジン回転数の変化はまるでCVT車のようなのだ。メリハリを感じる回転変化は意図的な制御を行っている証拠だが、ともかく「勝手に発電している」感じがしない。フィットなどが採用するDCTを用いたパラレル方式のi-DCDほどではないが、内燃機車のドライブフィールを好むドライバーにも違和感少なく扱えるのもホンダらしいこだわりだ。