試乗 ステップワゴン・スパーダHV車 「直動」がキモ
公開 : 2017.11.04 12:40
i-MMD ミッション車に似た余力感
エンジン直動走行はミッション車のトップギアに相当する変速比となるため、80km/h以上がターゲット速度域。直動に入ってからの減速では60km/h近くまで維持するが、実質的には非実用域である。
直動に入るとエネルギーフローインジケーターの中央に歯車アイコンが表示。この状態ではエンジン回転数は速度に比例するので、運転感覚は多段ミッション車のトップギア走行と同じである。巡航や緩加速、緩やかな登坂では直動を維持し、要所要所で駆動バッテリーからの電動アシストが入る。また、緩減速や降坂で負荷が減少すると余剰となったエンジン出力で発電を行う。この辺りの制御はi-DCDとよく似ている。
直動の解除は負荷軽減による電動走行への移行と急加速時。急加速では直動を解除し、大電力を発電させた電動モーター走行となる。AT車のダウンシフト急加速を想像すれば分かりやすい。もっとも、100km/h近い巡航で解除される頻度は少なく、ふつうに運転していれば直動が維持される。
低く安定した回転数で稼働するエンジンと切れのいい加減速反応。大トルクのミッション車にも似た余力感はi-MMDの特徴のひとつであり、高速巡航燃費の改善とともに動力性能面での上級設定モデルであることをドライバーに実感させてくれる。ACC任せの高速巡航ではほぼ100%直動状態。エンジン音も穏やかであり、運転支援機能とのコンビで走りの車格感は1ランクアップだ。