BMW M3 E91 vs アウディRS4 B7 今も人気 新車当時の評価は?
公開 : 2017.11.05 16:10
トルク重視のRS4 高回転型のM3
新型M3の第一の特徴は、旧モデルに使われていた3.2ℓ直列6気筒エンジンに代わって搭載される4.0ℓのV型8気筒エンジンだ。
開発責任者のゲルハルト・リヒターは「ゲームに残るためには単純にもっと大きなエンジンが必要だったのです」と、理由を述べている。
すでにM5用の5.0ℓV10エンジンの熟成が進んでいるので、弟分に当たるV8が同じ90度のシリンダーバンク角やその他多くの要素を共有している事実は別に驚くべきことではない。
このV8ユニットはMディビジョンのエンジニアリングが誇る傑作だ。
4ℓ級のエンジンとしては信じられないほど軽量で、単体重量は先代の直6に比べて15kgも軽い202kgにおさまっている。最高出力は420ps/8300rpm。これは現在でもZ4 Mに使われている旧型の直6より77psも高い値である。
最大トルクも旧型より3.6kg-mアップしており、40.8kg-mを3900rpmで発生するが、6500rpmまで回してもまだ32.6kg-mが確保されている。
しかしRS4のエンジンも負けてはいない。こちらはS4用の4.2ℓ90度V8をベースに、内部部品の徹底的な軽量化を図りつつアウディ自慢の直接筒内噴射システムを盛り込んだもので、最近の記憶に残っているどのアウディのエンジンよりも際立って緊張感の高い性格に仕上がっている。その結果は?
M3と全く同じ420psを、しかも500rpm低い回転数で発生する。
アウディのエンジンで特に光るのはトルク特性である。5500rpmで43.8kg-mと、それは新型M3をなんと3.0kg-mも凌駕しているばかりか、39.4kg-m(BMWの最大値より1.4kg-m少ないだけ)を、わずか2250rpmから得ることができる。
しかしBMWにはひとつ明確に有利な点がある。それは車体重量だ。1585kgという値はアウディより65kgも軽い。その結果、M3のパワー・ウェイト・レシオは1トン当たり265psとなり、RS4は少々見劣りする1トン当たり254psとなっている。