BMW M3 E91 vs アウディRS4 B7 今も人気 新車当時の評価は?
公開 : 2017.11.05 16:10
拮抗するM3とRS4の動力性能
新型M3は依然として後輪駆動を遵守しているが、油圧制御式Mデファレンシャルの改良により、極限的な状況ではリアホイールのどちら側でも100%のロックアップが可能になっている。
これに対してRS4は、アウディ自慢のトルセン四輪駆動システムで武装。どちらも6段マニュアルが現時点では唯一の選択肢だが、BMWは目下、別の選択肢としてデュアルクラッチ式トランスミッションを開発中らしい。
ストレートでの全開加速の面では、両者の間に違いと言えるようなものはほとんどない。新型M3は間違いなく、V8エンジンが持つ潜在的能力を最大限に発揮するようなギア比設定がなされているはずだ。
公称の0-100km/h加速タイムは4.8秒(先代比マイナス0.4秒)と強烈で、加速能力に不満な点はほぼ存在しないに等しい。そして、驚くべきことは、アウディがすでにRS4でまったく同じタイムを叩き出しているという事実である。
ちなみに、両者とも最高速度は250km/hでリミッターが作動するようになっている。
歴代のM3のライバルに対する最大のアドバンテージは、優れた反応の敏捷なハンドリングであった。最新のM3ではフロントのトレッド幅を22mm広げ(1538mm)、さらにリアを14mm広げて(1539mm)本当の意味でアグレッシブなスタンスとなっている。
サスペンションは今まで通りの、マクファーソン・ストラットのフロントとマルチリンクのリヤという組み合わせだが、そのジオメトリーは大幅に変更された模様だ。硬さのレベルを3段階に可変できる電子制御ダンパーが初めて(オプションで)用意されるのもトピックだ。
さて、新型M3は、かくのごとき洗練を極めた各部品を統合して、過去21年間に築いてきた伝統を見事に継承することになるのだろうか。
われわれの結論はしばらく待っていただきたいが、スリリングな運転を実現するファンダメンタルがきちんと揃っていることについては、ほとんど疑問の余地はなさそうだ。傑出したRS4と比べてもすべてが完全に互角と結論づけていいだろう。