BMW M550i 2017年版に試乗 AMG E43に快勝もM5との関係「難」
公開 : 2017.11.07 10:40
M5とM550iを比べるべきでない理由
サスペンションはソフトで、電子制御ダンパーをもっとも硬いスポーツ・モードにしても、荒れた道路ではボディ・コントロールに苦労する。ロールもびっくりするくらい大きい。
グリップ・レベルは想像通り高いが、ちょっと攻めるとハンドリング・バランスはノーズ・ヘビーに感じられる。ステアリングは正確だが、たっぷりとしたパワー・アシストのせいで路面のフィールをあまり伝えてこない。
楽々早くてとても安全であるが、Mのバッジから期待されるような、もっと攻めてみたいという雰囲気は持ち合わせていない。
もちろん、M550iは現行5シリーズの持つその他の美点は全て兼ね備えている。キャビンの仕上げは素晴らしく、必要な装備は一通り備わっている。
ハイテク装置はみなうまく動作するようで、モードを切り替えれば、中央の大きなディスプレイ上に美しいアニメーションでレスポンスよく表示される。
われわれの試乗車には、半自動のコ・パイロット(副操縦士)というアクティブ・ステアリング・システムも搭載されていたが、米国のフリーウェイでは十分に実用的であった。
一方、必要に応じてステアリングにトルクをかけるレーンキープ・アシストのほうは、路面の認識能力が劣るため早々にスイッチを切ってしまった。
対するクルージングは思いがけず洗練されている。かなりの高速クルーズでも、普通の5シリーズと比べ静かでハーシュネスも少ないところを見ると、何らかのリファインが施されたようだ。