メルセデス・ベンツ新型ピックアップ「Xクラス」に試乗 価格、正当性は?
公開 : 2017.11.08 11:50 更新 : 2017.11.08 11:52
内装、メルセデスの意図 乗り心地は?
メルセデス・ベンツは、ナバラの部品を使いながら、Xクラスにふさわしいタッチや印象になることを目指したとしている。
ダッシュボードの上半分は確かに実現できていると思うが、センターコンソールのトランスミッション周りやエアコンのコントロールパネルなどがプラスティック製のままで、質感には疑問が残ることも確かだ。
そして、Xクラスをメルセデス・ベンツらしい質感にするために、遮音/吸音材を大幅に増やして、ザラついた商用車用のエンジン音を遮断させてもいる。
現在入手可能なモデルでは、X250dの方がボディサイズには合っており、X220dの方は空荷の状態でも、若干アンダーパワーに感じてしまう。
Xクラスにとっては走行する機会が多いであろう高速道路でも、X250dの189psなら十分で、7速ATとの組み合わせによりシーンを選ばず快適なクルーザーとなるだろう。
油圧式のパワーステアリングは、一般的な商用車よりも操作が軽いが、切り初めのレスポンスは悪く、操舵感も遅い印象だ。しかしこれは、ネガティブな要素ではなく、オフロード走行という点では、Xクラスの目的にかなったもの。
前後に備わるマルチリンク式のコイルサスペンションは、リーフスプリングを備えるライバルよりも圧倒的に快適な乗り心地を提供する。
未舗装路を高速で走行する場合などでも、ラダーフレーム構造の働くクルマ、というよりも、中サイズのSUVのように感じられるはずだ。
トレッドは広く、フロント1632mm、リア1625mmを確保。ナバラと比較しても、より強力なグリップレベルとダイナミクス性能を備えたピックアップ・トラックに仕立てられている。