VW e-ゴルフ EVとしてバッテリー/航続距離/価格検証 主役の道「まだ遠く」
公開 : 2017.11.09 10:10
どんな感じ?
EVだけれど、それを主張しすぎず
と期待を煽っておいて何だが、性能面で印象に残ったのは「手堅さ」である。電動モーターは加減速反応が極めてよく、起動トルクが大きい。
そのためアクセルペダルコントロールに対して加減速コントロールが神経質になったり、唐突な発進特性になりやすい。そこで扱いやすくするために反応を「鈍(なま)す」のが一般的だ。
e-ゴルフのドライブモードは「ノーマル」「エコ」「エコ・プラス」の3モード設定され、それぞれ最大出力及びペダルストロークに対するトルク増減特性を変えている。
最もパワフルな「ノーマル」では電動モーターらしい鋭い瞬発力を発揮。タイムラグ少なく蹴り出すような加速反応は内燃機車では味わえないものであり、初めてEVを体験したドライバーに「異次元」と感じさせるに十分である。
しかし、生のままの特性ではない。ペダルコントロールに対する反応は正に間髪入れずなのだが、素早く深く踏み込んでも急激なトルク増は抑えられている。予兆感と言うべきか、連続性と言うべきか、トルク立ち上げにそのような「傾斜」が与えられている。
こういった鈍しはEVやHV(ハイブリッド車)、FCV(燃料電池車)の加減速特性の要点のひとつで、例えばリーフは傾斜を立てる、つまり蹴り出し感を強調、トヨタ車では内燃機車からの乗り換えで違和感ないように寝かせる、つまり穏やかな特性としている。
e-ゴルフは「ノーマル」ではリーフほどではないが立て気味に、「エコ」では寝かせたトヨタ車的な反応になる。
「エコ・プラス」はさらに穏やかな特性になるが、鈍し過ぎの印象もあり、エアコンの稼働率まで制限されるので、「エコ・プラス」は残蓄電量航続距離が怪しくなった時の緊急用と考えたほうがいいだろう。