ゴードン・マーレー、「天才デザイナー」と呼ばれるまでの軌跡 新本社を訪問
公開 : 2017.11.11 10:10 更新 : 2021.03.05 21:29
実用優先 それがかえって見た目をよくする
今日、iストリームカーがスチール・チューブの骨組みの中にコンポジット・パネルを使って強度を生みだしているのと全く同じだ。
1970年、重量僅か500kg、ふつうのミニより少なくとも100kgは軽く、25cmも低くて広くて驚くほどスポーティな小型車が誕生した。
軽量化のおかげで、ベース・エンジンでもどんなミニよりも速く、標準のプログレッシブ・レートのラバー・サスペンションでも、スポーティで優れたハンドリングを実現した。
シートをより低く後寄りにセッティングしたことで、ミニのフロント・ヘビーな重量配分が打ち消され、結果、アンダーステアは軽くロールは少なくなった。さらに、標準のドラム・ブレーキでもブレーキングは格段に向上した。
すべてのパネルと前後のスクリーンがフラットであるため、20年前のモビリティ作品であるにも拘わらず、ミンバグの外観は驚くほどファンキーである。
四角いボディとコルビューのバケット・シートによる低くて優れたドライビング・ポジションとはちょっとふしぎだ。
リアには、開閉可能な見取り窓のついた金属製のキャノピーと取り外し可能なキャンバス・ルーフがついている。ボンネットはフラットパネルできちんと成形されており、丸いヘッドライトが2灯装着されている。とても大きなライトなので、その時代らしいシンプルで小生意気な感じになっている。
ミンバグは断然、スタイルより機能優先のクルマであるが、背が低くて全体バランスの良さは見た目にもあらわれる。
「ミンバグは驚くほど実用的です」とマーレーは言う。「われわれは3年間、毎日ミンバグを使いました。こいつでスコットランドにも遊びに行きましたよ」
しかし本当に面白いのは、このクルマが今日でもよく走ることだ。ここにあるのは、マーレーが持っていた設計図をもとにナットとボルトで製作したレプリカだ。
ただし昔と異なり、エンジンはトルキーな100psの1380cc、変速機はミニの「スパゲッティ・レバー」に代わってリモート・ギアチェンジ、フロント・ブレーキはディスクでタイヤも現代のものだ。そう、スポーツ・エグゾーストも。
運転するとどうだろう?