ゴードン・マーレー、「天才デザイナー」と呼ばれるまでの軌跡 新本社を訪問
公開 : 2017.11.11 10:10 更新 : 2021.03.05 21:29
ゴードン・マーレーの花形「作品」 5選
ブラバムBT46B「ファンカー」(1978)
ブラバム・オーナーのバーニー・エクレストンからチーフ・デザイナーに指名された31歳のマーレーは、一方向の思考にとらわれないスタンスを認められ、この過激なF1カーを設計した。
アルファの水平対向12気筒エンジンを搭載し、リアにファンをマウントしている。名目上は冷却のためだが、もうひとつの目的はダウンフォースを大幅に増すことであり、これでロータスのグラウンド・エフェクトカーに対抗した。
1度レースに出場し、優勝して、すぐに引退した。
ライトカー・カンパニー・ロケット(1991)
極端に軽量で小さいロードカーを偏愛するマーレーは、レーシング・ドライバーのクリス・クラフトと共に設立した会社でシングル・シート・レーサーのようにクラシックなタンデム2座のスポーツカーを設計した。
バイクのように軽い「ロケット」は、ヤマハ製のバイク用1ℓエンジンを搭載し、167psの最高出力と230km/hの最高速度を誇る。
マクラーレンF1(1992)
すべてのスーパーカーを葬り去るスーパーカーと宣伝された軽量コンパクトのカーボンファイバー製3シーターは、改良されたBMW製6.1ℓV12エンジンを搭載し、390km/hの最高速度をたたき出す怪物だ。
可能な限り最高のマテリアル(例えば、エンジンベイは熱遮蔽のため金箔が貼り付けられている)を使ったF1は、新車価格で£630,000(9500万円)。
当時としては桁違いに高価だったが、今ではその何倍もの価値がある。
T25とT27(2010)
マーレーの小さなガソリン車T25(とその電動版T27)は、iストリーム・プロセスを採用して高い剛性、効率的な構造、優れたスペース効率を実現した。
柔軟性のない鉄板プレス作業は製造工程からほとんど排除されてしまった。T25は改良されたスマートのパワープラントを使い、3人が乗車可能。ラゲッジスペースも確保されている。
ヤマハ・スポーツ・ライド・コンセプト(2015)
エクステリアデザインは彼ではないようだが、このヤマハ・スポーツ・コンセプトの土台はiストリームの原則で設計されており、ヨーロッパでの製造も検討中だ。
約150psの1リッター・エンジンを搭載したこのクルマは、新しいマーレー・オートモーティブ・マニュファクチャリング・カンパニーで検討されているモデルの手がかりとなる。