フォード新CEO 「変革」目指し、駆け抜けた5カ月と描く未来とは インタビュー

公開 : 2017.11.12 17:10  更新 : 2017.12.14 12:31

ハケットの個性的なキャリア

その後、ハケットが就任してからの5カ月間、株価はやや上昇した。しかし無慈悲なウィール・ストリートの連中が注意深く見ているように、これは株価全体の上昇によるものだ。

米国の株式市場は臆面もなく短期的であり、そのためハケットはフォードの将来技術は金の卵を産むニワトリだとマーケットを納得させなければならない(テスラは例外だと彼らが思うように)。

ところで変革の伝道師であるハケットのキャリアが、長期間同じ会社なのは一見すると奇妙だ。大学を出て数年間プロクター・ギャンブルに勤務した後、35年間、オフィス家具の会社、スチールケースで働いている。

そして銀行と保険会社で管理職。長い間同じ会社、同じ場所で働いていた人間が、われわれに現代の会社の発展について講釈を垂れるのはいかがなものだろう。

なにはともあれ。ファイル・キャビネットのビジネスは大成功した。39歳の若きCEOハケットは、チームを率いてスマート・ワーキングを「発見」し、間髪を入れずオフィス・デザインの改革を始めたのだ。

この成功により、沈思黙考のハケットは変革の伝道師になった。そしてアメリカの主導的なデザイン思想家たちと日々連絡を取り合うようになった。

また、この成功により2015年に新設されたフォードのスマート・モビリティ部門のトップに引き抜かれた。フィールズの辞任後、ハケットがすぐにCEOとなったのはこういう訳だ。

クルマのコネクティビティの話になるとハケットはすぐに能弁になる。「スマートな世界のためにはスマートなクルマが必要です」と彼は言う。

もう少し詳しく聞いてみよう。

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