試乗 アルファ・ロメオ・ジュリア・スーパー Cクラス/3シリーズへの戦法とは
公開 : 2017.11.13 11:20 更新 : 2017.11.13 18:05
いよいよ、アルファ・ロメオ・ジュリアを日本国内で試す時がきました。戦い方や、目指す層は、BMWやメルセデス・ベンツとはまったく異なります。そこにおもしろさを感じられるかどうかでしょう。
もくじ
どんなクルマ?
ー ジュリア 遊びすぎないゆえの「品」
どんな感じ?
ー 「スーパー」の立ち位置 他との違いは?
ー 2.0ℓ直4は好印象 操舵、初期がやや機敏
「買い」か?
ー 狙う層は存在感を放つ「少数派」
スペック
ー アルファ・ロメオ・ジュリア・スーパーのスペック
どんなクルマ?
ジュリア 遊びすぎないゆえの「品」
ジュリアはちょい前の流行りに乗せれば「シン・アルファ・ロメオ」というところ。「シン」は「新」であったり「真」であったり、と言葉遊びをしても詮ないが、ジュリアによって新しいアルファ・ロメオは幕開けした。
ジュリア初対面の印象は「意外と真面目」である。これまでのアルファ・ロメオが不真面目という意味ではない。カテゴリーの基本あるいはセオリーとかプロトコールに忠実という意味だ。
セダンとかサルーンは後席乗員に対する気配りも原則のひとつ。後席乗員のためにキャビン後半のボリュームは大きくなり、乗降性を考慮してドア開口形状を頭抜け良く設計する必要もある。スポーツ&スペシャリティに傾倒して後席頭上を潰し、前傾深いリアピラーにすれば、それは4ドアクーペである。
シン・アルファの約束事のひとつに前後輪荷重50:50がある。もちろんこれはFRと組み合わせた上で優れた運動性を得るのが目的。つまり、スポーティはジュリアにとっても大きな特徴のひとつだが、スタイルやパッケージングは端正なセダンとして仕立てられている。
個人的な嗜好と思われるかもしれないが、プロトコールを護ることで得られた品のよさもシン・アルファを特徴付ける側面のひとつなのかも知れない。
もっとも、全長4645mmのFR車であり、セダンらしくまとめても後席居住スペースはそう広くない。収まりのいいシート形状など設えはプレミアムセダンらしいにしても、大柄な成人男性の4名乗車では必要十分レベル。
この辺りは同セグメントを代表するCクラスも同様であり、ジュリアが劣っているわけではない。FRセダンではコンパクトなサイズを考えれば高く評価すべきだろう。