ロードカー、本当に公道を耐えうる? フォードGT vs ラディカルRXCターボ vs 911GT3 RS 前編
公開 : 2017.11.11 12:40
フォードGTに舌を巻く パドックへ
一方のフォードGTのステアリングは重いが、しかし正確に情報を伝えてくれる。つまり扱い易い。エンジンは極めて騒々しく、そのサウンドに飾り気はないが、非常に力強い。
ギアボックスは驚くほど滑らかで、とても上手く躾けられている。「ノーマル」モードではダンパー・セッティングが「コンフォート」を選択し、想像以上に乗り心地は良い。
公道上でこのクルマを楽しむのに最大の障害は、騒音と神経質とさえ言える過敏さである。そして、このクルマはドライバーを左側に座らせる上に、ボディが非常にワイドなため、英国の道路上では扱い辛い。
テイクアウトのランチを購入するためにGTから少しの間離れると、再びひとだかりができていた。新兵の一団が車内を見たり、自撮りをしようとしていたのだが、こういった若者は別にクルマ好きという訳ではない。
彼らがランボルギーニやマクラーレンにどれくらい興味を示すとお思いだろうか。しかしこのフォードのためであれば、駐車場の端からわざわざやって来るのだ。
銃は持っていなかったが、目立つタトゥーをしている。満足したようなので、その職務に感謝しつつ、われわれは旅を再開することにした。
火曜日, 2.36pm
カー・パーク50, シルバーストン・サーキット
こんな一団であればどこにでも入りこめると思うかも知れない、特にサーキットであれば。しかし、今日のシルバーストンはそうではなかった。
フェラーリのワンメーク・イベントである「コルセ・クリエンティ」が開催されていたのだ。事前に入場と写真撮影の許可を申請していたにも関わらず、メインゲートにいた守衛は全く態度を変えなかった。
「外の駐車場なら良いけど、パドックはダメだ」と彼は言った。おそらくこの守衛はル・マンの歴史に精通していて、フェラーリから栄光を奪ったこの招かれざるGT40の末裔が、可哀そうなフェラーリ愛好者たちを魅惑するのを知っているのだ。
それとも、もしかしたらフェラーリは大金を払い、われわれは払っていないだけの違いだろうか。
ここでフォードから911GT3 RSに乗り換えてみた。