ポルシェ重役インタビュー「ミッションEのいま、EVの未来、911の今後」
公開 : 2017.11.11 18:10 更新 : 2017.11.11 18:16
気になる911のEV化について
シュタイナーは「これは本当にスポーティなクルマです。低重心で、路面に近い位置に座る4シーターですね。EVであっても、典型的なポルシェです」と語る。
ミッションEは、ポルシェの全車種をEV化するための第1歩であり、フォルクスワーゲン・グループは2030年までにすべてのモデルにおいて、EVバージョンをリリースすることを目指している。
一方ポルシェは、911をEV化する計画は今のところ持っていないようだ。理由は、十分な航続距離を確保できる大きなバッテリーは、床下にレイアウトする以外の方法がないため。全高が高くなり、目の肥えたひとからは、スポーツカーとしては見てもらえなくなるからだ。
2018年に発表を計画している次期型の911では、プラグイン・ハイブリッド・システムの搭載も準備されている。ただし、車体的には搭載可能であっても、いつからプラグイン・ハイブリッドの911を販売するかは決定していない。ミッションEの発表が先となりそうだ。
シュタイナーは、EVにスポーツカーのような走行性能を持たせようとすると、重量増加という難しい問題が発生すると話す。
「ミッションEのボディサイズは、スポーツカーのパフォーマンスと、十分な容量のバッテリーを搭載できるスペースを両立できる、スイートスポットなのです」
J1アーキテクチャはポルシェ独自の開発によるもので、VWグループ内で開発されている他のEVプラットフォームとは異なる。
アウディはC-BEVと呼ばれるアーキテクチャを開発しており、来年発表されるSUV、e-トロンに初めて用いられる。
J1のバッテリー搭載位置は非常に低く、一方でC-BEVの方が車高の高いSUV向きなのだろう。このふたつのプラットフォームは、共通するリチウムイオン・バッテリー技術を用いている。