BMW Z4 M ロードスター/クーペ 中古車購入ガイド(3)
公開 : 2017.11.12 10:10 更新 : 2017.11.25 16:22
3.2ℓストレート6とMTに陶酔する前に
Z4 Mの販売時期は2006年から2008年までで、その2年間にロードスター、クーペ合わせておよそ1500台が販売された。
購入者はクリス・バングルのスタイリングとボクスター/ケイマンをしのぐMパワーのパンチに魅了されたもの。343psを発生する3.2ℓのストレート6は、ゲトラク製の6速マニュアル・ギアボックスを通して後輪を駆動し、0-100km/hを5秒以下で駆け抜ける。
予算が厳しいなら、エンジンのバルブ・クリアランスがサービス2回ごとに点検が必要であることを覚えておいたほうがいい。BMWのディーラーなら£1,200(18万円)かかるが、独立店なら£700(10万円)ほどだ。あるいは、エンジンの構造は比較的シンプルなので、専用の工具とノウハウさえあれば自分でもできる。パーツ代はおよそ£200(3万円)だ。
Z4 Mはフライ・バイ・ワイアのスロットルと、VANOS可変タイミングを採用している。VANOSシステムを使った初期のM3(エンジンは同一)の問題は、Z4 Mの登場までには解決されており、エンジンは全体的に故障知らずだ。ただし、コンロッド・ベアリングの故障(ピストン・スピードはとんでもなく速い)や硬いサスペンションに起因するエンジン・ボルトの破損など、個別のトラブルは残る。
また、1200マイル(2000km)のランニングイン・サービスの受け忘れに関する恐ろしい警告も目にする。これはオイルのスペックの問題であるが、スミサラムは異論を唱える。
「工場出荷時のZ4 Mのオイルは標準的なスペックのものです。これは製品保証の問題であって、エンジンのコンディションに影響を与える類のものではありません。現に、わたしのクルマは4,000マイル(6400km)時にランニングイン・サービスを受けましたが、現在まで快調そのものです」と彼は言う。
真実はどうあれ、Z4 Mは現役のサラブレッドであり、ランニング・コストも問題ない。販売店はZ4 Mを最高のスポーツカーだという。魅力的な言葉だが、売りに出ている35台の値段は様々だ。
詳しく学んでいこう。