日本試乗 4代目ルノー・メガーヌGT 4輪操舵を中心に検証
公開 : 2017.11.14 20:50 更新 : 2017.11.14 20:50
どんな感じ?
4コントロール 特性がちょっと不思議?
勿体をつけるのも何なので、先ずは4コントロールシステムの出来から。4WS技術の難しさのひとつは「如何に効きを意識させないか」だが、そこはとても上手くできている。
タイトターンは操舵どおりにスムーズな回り込み、高速コーナーではどっしりと腰の据わった操縦性を示し、「簡単」「安心」「速い」の三拍子を何処でも実感できるのは違和感なき操縦性の証明でもある。
ただ、理性で考えるとこの特徴は不自然でもある。
タイトターンの旋回性を高めれば高速コーナーでは巻き込み(オーバーステア)やすくなるのに、力学的背反要因が両立されているのだ。
運転感覚でも車両自転軸がタイトターンでは前寄り、高速コーナーでは後寄りの印象。色々なコーナーを同じ感覚で操れるのはドライバーには有り難いが、よく考えればちょっと不思議な特性なのだ。
後輪の操舵方向及び操舵角は速度とステアリングの舵角/操舵角速度を基準に制御される。低速では後輪を外側に向かわせる逆位相、高速では内側に向かわせる同位相を基本として後輪操舵。4WSでは基本的な制御思想だが、ドライバーの意志の汲み取り上手が4コントロールの制御では肝となっている。
定常円旋回の舵角が同じでもアプローチで素早く切り込む時と送り込むように切り込む時とでは求める姿勢変化やラインコントロールが違う。
そういう部分の擦り合わせが巧みなのだ。ステア操作に表れたドライバーの意志に自然に呼応してくれるので運転感覚に違和感がない。