クルマのコンフィギュレーター製作会社を訪問 マニアックな世界に驚嘆
公開 : 2017.11.18 17:10
トイ・ストーリーよりも多い画像点数
例えばベントレー・コンチネンタルのピアノ・ブラック塗装+単板仕上げのタモ・アッシュや、ゴルフのオプションである17インチ合金ホイールなど、システムで表示される部品はすべてクルーやヴォルフスブルクの工場で使われているのと同じコードで表される。
それぞれのコードは部品あるいはクルマ全体の平らな二次元画像を生成する。次に、リアル・タイムUKの熟練したデザイナーがこれらの平面的かつ機能的な画像数千枚に濃淡、奥行き、質感を持たせて生彩を与える。その結果、本物と見紛うほどのクルマや部品の画像が出来上がるのだ。
かつて、新車を買いたい顧客はパンフレットとオプション・リストを見て仕上がりをイメージしなければならなかった。ところが今は、コンフィギュレーターでクルマの仕様を決め、具現化したものを高画質なパソコンまたはスマートフォンで見ながら細かな部分まで完成させることができる。
ベントレーは、顧客がコンフィギュレーターを弄るのに、およそ8分のページ滞在時間を費やすと把握している。GTだけでも塗装、シート皮革、ダッシュボード化粧板、ステッチ仕上げといったオプションの組み合わせが70通りもあることを考慮すると、8分というのは非常に短い。
GTのコンフィギュレーターでこれらのトリムの組み合わせを表現するには162,000枚の画像が必要となる。これは映画トイ・ストーリーの製作に使われた画像数よりも多い。162,000もの画像を1枚ずつパソコンに表示していったとしたら上映時間は5時間になるだろう。
GTよりもはるかに多くの設定項目があるミュルザンヌの820,000画像を上映したなら9時間20分にもなる。そんなミュルザンヌの恩恵を引き継いだベントレーのサーバーは、14,000を超える設定を同時に行うことができる。
最も難しくて手間がかかる作業はリアル・タイムUKの2階のオフィスで行われている。