クルマのコンフィギュレーター製作会社を訪問 マニアックな世界に驚嘆
公開 : 2017.11.18 17:10
きっかけは目前の「技術の移り変わり」
リアル・タイムUK の創立者であり社長でもあるトニー・プロッサーはバーチャル・リアリティの将来性に胸を踊らせている。
「この技術は場所を問わないので、ディーラーはショールームを飛び出して営業できるし、顧客は自身のイメージに頼ることなく選んだクルマの細かい点まで確認して体験できるようになります」とのこと。
目に見えないものを見えるようにするこの男には先見性があると言える。彼は1990年代前半にブラックプール美術大学でテクニカル・イラストレーションを専攻していた頃、二次元のソフトが三次元に進化し、さらにはピクサーの映画トイ・ストーリーのような三次元動画へと発展していることに着目した。
「技術の移り変わりを目の当たりにして、その一端を担いたいと考えました」と彼は言う。
「当時その技術を活用している自動車メーカーはいなかったので、それをクルマに応用して先駆けとなるため1996年にリアル・タイムUKを立ち上げました。現在当社にはオフィスがふたつあり、社員は34名で、まだ成長を続けていますよ」
ベントレーの「Look Closer」というプロジェクトに携わったことはプロッサーにとって自慢の成果だろう。これは、ギガピクセルの画像を使ってミュルザンヌの助手席に刺繍されたベントレーのロゴに約800mの距離からズームインするというものだ。
一見、お遊びのようなプロジェクトだが、ひとびとのクルマ作りを可能にするという大切な仕事はウェスビーのオフィスの2階で真剣に取り組まれている。
自律走行車が現実のものとなって人間が車内で自由にくつろげるようになったとしたら、コンフィギュレーターはもっと面白いオプションを提示していかなくてはならないだろう。
クルマに未来があるとすれば、それを取り巻くテクノロジーも、まだまだ発達できる伸びしろがあると思った。