国内試乗 ジュリア・クアドリフォリオ 対C63/M3 第3極登場

公開 : 2017.11.17 12:33

どんな感じ?

「ふつうに走らせられる」という美点

限界性能を極めようとすれば辿り着くのはレーシングカーだろう。しかし、レーシングカーは限界領域で走らせるクルマであり、中庸域の性能には無関心である。

ところがロードゴーイングでは中庸域での高性能も求められる。レーシングカーもどきであってはならない。

この按配がジュリア・クアドリフォリオはとてもいい。

アイドリングは穏やか。走り出しは滑らか。高回転で息詰まることも低回転でむずかることもない。応答遅れも少なく狙ったとおりの加速を引き出せる。

苦手とする部分のないパワートレインである。しかも、エンジンフィールは紳士的であり、全開で加速させても威圧感もそう大きくはない。

このエンジンにしてこのブレーキ、と制動力も強力だが、適度なストロークを使い、ストロークと踏力のバランスがいい。加速同様に狙いのGを維持でき、リリース側の減速コントロールも自然だ。

減速を残してアプローチする現代的なスポーツドライビングでは制動力の立ち上がり以上に抜き側の特性が重要。ここでも味付けや虚仮威しではない本質を感じさせてくれた。

渋滞路でも走らせてみたが、ふつうのクルマと何ら変わらずに止まるか止まらないかという端境のコントロールも容易である。

500psのクルマの渋滞路チェックというのも妙だが、クアドリフォリオ開発陣の視野の広さと良識が伝わるポイントでもあった。

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