ハイエンド「屋根開き」対決 アストンV8 vs BMW M6 vs ジャガーXKR 前編
公開 : 2017.11.18 10:10 更新 : 2017.11.18 11:06
グラマー度比べではM6はお話しにならない
アストンのそばにいるときは、思わずずっと見とれっぱなしになってしまう。半ば我を忘れた状態で。ボディの曲線のキレイなこと。1974年より前の時代のレーシング・ポルシェを目の前にしたとき以外は、こんなふうになることって普通ないんだけど。
クルマが「ビューティフル」だという表現はよく使われるけど、「ビューティフル」はまさにこのクルマにこそ相応しい。そういわれて反論する人はほとんどいないと思う。
BMW M6カブリオレは違う。ビューティフルのきわみとはいいがたい。でも507ps/7500rpmはちょっとしたものだし、アストンの1700万円に対して1650万円というその値段も脅威ではある。ですよね?
フォードの100%傘下ではなくなって以降に出る最初のアストンの比較の相手としてどのクルマを選ぶべきか、ということに関しては僕らの間でいろいろあった。
ポルシェじゃいくらなんでもベタすぎるとか、M6とこれとどっちか迷うヤツなんていないんじゃないのとか、あるいはXKRじゃブルー・カラーっぽすぎるんじゃないかとか、ケンケンガクガク。
で結局ビーエムとジャガーを連れてくことにしたわけだけど今回。この選択が正しかったか間違ってたかはおいおい明らかになると思う。ただ、現時点でもこれだけはハッキリいえる。
すなわち、カレラGTでももってこないかぎりポルシェじゃ相手になんてならない。なりたくても全然ムリ。主観的には、アストンはそれっくらい高いところにいる。
クーペからコンヴァーティブルになったことで70kgのウェイト・ペナルティがついてしまった。でもこのアストン、ジャガーの場合と同様ベースのプラットフォームがフィクスト・ヘッドありでもなしでも大丈夫なように設計されている。なので後付けっぽい補強ワークはギリギリ最小限のレベルにとどまっている。これの前に出たアストンのコンヴァーティブルのボディが大したことなかった、なんてことをほとんど忘れてしまいそうになる。
DB9ヴォランテのあのブルブルなスカットルに対するホメ言葉がナンかあるとしたら、「見た目にはイケてるね」ぐらいのものだろう。
でもプロジェクト・チーフのデイヴ・キングによると、その状況も変わるらしい。
V8ロードスターを作るなかで彼らはものすごく多くのことを学んだそうで、その成果がすぐにもDB9ヴォランテに反映されることになっているから。