ハイエンド「屋根開き」対決 アストンV8 vs BMW M6 vs ジャガーXKR 後編
公開 : 2017.11.18 15:40 更新 : 2017.11.19 11:28
やっぱりアストンならすべてが許される
なんだけど、テスト車輛についてたパドル・シフトのギアボックスに関してはイイことは書けない。ほとんど。なぜって、どっからどう考えてもM6のSMGのほうがデキがイイから。
しかも困ったことに、トバしてるとしまいにはクラッチからヤバそうな臭いが立ちのぼってくる。これはゴカンベン……なのだけど、マニュアル・ギアボックスのほうはトランスミッション・オイルを変更したことでググッとよくなったらしい。
買うときはそっちを選べばいいだけの話なので、パドルもののデキ云々の部分は今回の勝負の判断材料にはしないことにする。
いやホント、ロードスターは完成度がすごく高い。風の巻き込みはM6におけるそれよりも少なくて、ジャガーと同じくらい穏やか。つまりエクセレント。アストンなのだからトクベツでなくてはならなくて、そのトクベツのなんたるかがロードスターだとよりわかりやすい。
僕としてはだから、競合他車と較べたときの相対的なランキングみたいなものでいうとクーペよりもロードスターのほうが高いと思える。
つまり、高性能クーペ部門におけるV8ヴァンテージのランクよりも高性能屋根開き部門におけるV8ロードスターのそれのほうが高いと思える。
911カレラのクーペをブチ抜けるようなクルマではV8ヴァンテージはない。走りそのもので優劣を決めるなら、したがってセカンド・チョイスでしかない。でもコンバーチブル勝負となると話は違ってくる。
その魔力というか魅惑力でもってアストンがポルシェに勝つ。ハンドリングやそのものズバリの速さに多少の不足があったところで、そんなものはどうでもいい。気にするのはナンセンス。
そもそも、サーキットでいいタイムを出すためにわざわざコンバーチブルを買う人なんていない。賞味したり堪能したり眺めたり眺められたりしてイイ思いをしたいから買うのであって。
だとするなら、回転系の針の動きがフツーと逆方向になってることなんかナンでもない。同じく、ルーフ警告灯が何度も点滅することも。少なくともルーフに故障が発生する兆しはまったく見られなかったから大丈夫。