「自動車産業で最も力のある英国人」 BMW AG上級副社長 引退前のインタビュー
公開 : 2017.11.19 18:10 更新 : 2017.12.14 12:31
イアン・ロバートソンが愛したクルマ
1970年代
「もちろん、ミニですよ! わたしは生産ラインのすぐ横に座っていました。イシゴニスもすぐ近くでした。後年、ミニのブランド化に携わることができたのは大きな誇りです」
1980年代
「初期のころにトライアンフ・スピットファイアとTR7を持っていました。欠点もあったけど、うっとりと思い出しますね。英国の誇るべきクルマでした。ロータス・エランも買うべきでしたが、ロータスで働いていなかったので」
1990年代
「レンジ・ローバーは大好きでした。(第1世代の)最後のクルマがライン・オフする時にスペン・キング、ノエル・エドモンズ(写真)と一緒に並んだのを覚えています。このクルマはアイコンでしたね。50歳のお祝いをしてもらえるクルマなんて滅多にありませんよ」
2000年代
「個人的な理由でE46の3シリーズが1番です。当時、南アフリカの生産工場を任されていて、米国に輸出していたんです。品質基準を満足させることなんてできっこないと言われました。でも、やりましたよ。品質でJDパワーの金賞をとったんです。職業人としても個人としても人生最良の時でしたね。われわれはBMWに成功をもたらし、地域社会でも多くの仕事ができ、そしてもちろん、マンデラ大統領(写真)にお会いしたことも特別でした」
「ロールス・ルイスの経営もとても特別でした。今までの栄光の上にあぐらをかき、未来はありませんでした。わたしは6か月で3人目の社長として着任しました。混乱の時期でしたが、われわれはチーム力でブランドを本来の位置に戻し、未来に向けてサスティナブルな長期的計画を明確化しました。ゴーストにはわれわれのビジョンを徹底させ、SUVの計画も立案しました」
2010年代
「iシリーズの構成は特別なものでした。i3から始まったのですが、ただの移動手段ではないことを強調するためにi8が欲しくなりました。電動パワーは合理的なだけではありません。われわれは実物のクルマを製作し、iシリーズがローンチする数年前からブランドのポジショニングに着手しました。使う言葉からショールームの景観まで、何から何まで違いましたね。すべてを詳細に観察しました。単なる2台のクルマではなく、カーボンファイバーからエネルギー効率の高い生産プロセスまで、その全容が必要だったのです。とても大変な仕事でしたが、その価値はありましたね」