ハイパフォーマンス・ワゴン対決 M5 vs RS4 vs E63 AMG 後編
公開 : 2017.11.19 16:40
積載状態でタイムアタック
ドライのストレートでヨーイドンしたら確かにRS4がいちばん遅いかもしれない。けれど雨が降ったら話は別だ。実際にMIRAのテストコースに水をまいて確かめてみよう。
クワトロのRS4では何も考えずに5000rpmでドカッとクラッチをつなげばいい。それだけで97km/hに4.6秒で到達する。素晴らしい。E63はも同じく4.6秒で、これはメーカーの公称値と同じ。
A/Tとトラクションコントロールのおかげで誰でも同じタイムを出すことができる。いちばん手を焼いたのはM5だった。何回かのトライののちに出したベストは5.1秒でほかの2台にはおよばなかったけれど、決して遅いタイムじゃない。ほかが速すぎただけだ。
さてここからが本番。MIRAまでやってきた本当の目的は、3台の積載状態の性能をテストしたかったからだ。
350kgの水と砂利を積み込んだ状態でRS4が出した0-97km/h加速タイムは、空車時の約1秒落ちの5.4秒。対するBMWは5.6秒で大健闘。3台中いちばんタイム落ちが少なかった。
そして最速は5.3秒のE63。速いにもほどがある。コイツはもしかしてホットロッドなのか?
予感的中。ハンドリング・コースに場所を移してのタイムアタックではホットロッドE63はまるで振るわず、1分10秒6という3台中最低のタイムにとどまった。M5はそれより2秒以上も速い1分8秒0を記録。
グリップもステアリングの切れ味もいい。ベストラップはRS4の1分7秒3。しかしながら乗っていて愉快なことはほかの2台の半分も起こらなかった。だから速いわけだけど。
そしてRS4は、350kgのウエイトを積んだ状態でさえほかの2台の空車時よりも速かった。記録は1分7秒9。M5は重量配分の変化でターンインがスムーズになったけれどリアの慣性重量が大きすぎて安定性に欠け、タイムは1分8秒8止まりに。1分11秒5のE63も似たような感じだった。
いちばん楽しめたのはM5。けれど全天候型のスプリンターはRS4。これがここでの結論だ。