BMW X3新型 2.0ℓディーゼルに試乗 価格上昇も洗練/実用性を約束

公開 : 2017.11.21 11:50  更新 : 2017.12.05 22:03

2.0ℓディーゼル好印象 乗り心地は要検証

高回転時のこもったような唸り声も許容範囲だし、アイドリング時のハミングも極めて控えめなものになっている。

十分に太いトルクが約1700rpmから4500rpmの間で発生し、使い勝手も高い。ターボラグが若干感じられるが、低速域でも扱いやすく、回転数が上がってしまえば無視できるレベルだ。

8速ATのギア比も適切だし、ノーマルモードでもスポーツモードでも、ステアリングホイールに備わる小さなパドルをフラップして、任意のギアを選択できる。変速時の反応の遅れも少なく、変速スピードも速いが、スムーズさを優先した味付けだ。

コンフォート・モードでのステアリングの重さは適切だが、スポーツモードでは重さが増して、人工的な印象が強まってしまう。オプション装備となるが、バリアブル・スポーツステアリングの機能で、スタンダード・モードを維持した方が良いと感じた。

とはいえ、X3のステアリング・レスポンスは十分に楽しめるもの。3シリーズ程ではないことも確かだが、正確性も高く、優れたボディコントロールとトラクションの良さで、九十九折の道でも攻めた走りが可能だ。穏やかにアンダーステアが発生し、限界も掴みやすい。

オプションとなる、外部ノイズを遮断するアコースティック・フロント・ウインドウを装備したテスト車両での巡行走行は洗練されたもので、上質に尽きる。

綺麗な路面ならラグジュアリーな乗り心地を提供し、高速であってもロードノイズや風切り音も許容できる範囲だ。

唯一指摘するとすれば、試乗コースとなったモロッコの路面特有の小さな波打ちが、テスト車両に装備されていたアダプティブダンパーとMスポーツ仕様の19インチ・ランフラットタイヤとの相性が悪く、落ち着かない場面があったこと。

きつめの起伏での挙動に関しては、改めて英国で検証したいところだ。

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