ジャガーE-PACE 初試乗 まずは2ℓ直4ガソリンから 独特な使命とは?
公開 : 2017.11.22 12:30 更新 : 2017.11.22 12:30
共通アーキテクチャ、どう差別化?
E-PACEは、ランドローバー・ディスカバリー・スポーツやレンジローバー・イヴォークのプラットフォームを共有しているが、重要な違いがある。
まず、英国のヘイルウッドの工場では生産能力の都合で組立られないという点。代わりに、当面はオーストリアのマグナ社で生産され、後にジャガー・ランドローバー・チャイナに移される予定だ。
そして、それ以上の違いがある。
かつてのリアドライブをベースとしていたジャガーとは異なり、ほぼスチールで構成されたモノコックは、横置きエンジンのフロントドライブを前提としている点だ。今回のテスト車両は四輪駆動だったが、FFもリリースされる予定となっている。
さらにイヴォークとの相違点は他にもある。
フロントのサスペンション・サブフレームが、ステアリング精度を向上させるために、シャシー側に直接固定されているのだ。リア側は、ジャガーおなじみの凝ったリンク構造を持つ、インテグラル・リンク・サスペンションとなっている。
しかし、比較的高いロードクリアランスと全高、多くがスチール製のモノコックによって、軽量な材料を部分的に使用しているとはいえ、車重は必然的に重くなっている。同等のエンジンを搭載するF-PACEが1770kgなのに対し、試乗車の車重は100kg増しの1894kgとなっている。
車内はというと、疑う余地もなく、ジャガー・ライクな仕上がりだ。F-タイプが打ち出した、ドライバーとパッセンジャーの空間が明確に区切られたデザインを受け継いだものになっている。
パッセンジャー側は、滑らかに急な角度へ導かれ、なだらかな滝のような美しい造形だ。ドライバー側は、運転にフォーカスされたデザインで、センターコンソールには両者を区切るバーハンドルが備わる。
恐らく写真を見るだけで、デザインの上質さを感じてもらえると思うが、実際、素晴らしい出来だ。
プラスティック・パーツの中には、ドイツ車と変わらないようなソリッド感が出ている部分もあるが、ギアレバーを覆う大きなメタリック調のプラスティックは、メッキが少し光りすぎていると思う。しかし全体としては、プレミアムな雰囲気を確実に感じることだろう。