ミニ vs フィアット500 新車時の評価は? 比較試乗 前編
公開 : 2017.11.23 06:10
レトロスペクティブ強迫症
さて翌朝。トリノ中が二日酔いから覚めてるだろう今、なぜかたまたま僕らの手元にはミニ・ワンが1台ある。
新型500の日本での値段や仕様の詳細をフィアットはまだ公表していないだろうけど、イタリアでの価格帯(150万〜200万円)よりは高くなると思う。それでも新型500はミニより安いはずだ。
装備テンコ盛り状態のしかも最強エンジン搭載仕様で(今回借りたのがちょうどそれ)かろうじてミニのショボいやつ(218万円する)、つまりこのワンと重なるくらい。
なんだけど、この際、値段云々はどうでもいい。
なぜって、究極クールな都会のアシ大賞獲得を決めるコンペティションに参加する資格のあるクルマは現在この2台しかないわけだから。
今、僕らはみんな、言ってみればレトロスペクティブ強迫症にとらわれている。あらゆる消費財は過去の失われたモノどもからデザインのインスピレーションを得なければならない、みたいな。ジーンズしかり。サングラスしかり。コーヒー・マシンしかり。もちろんクルマもそう。
過去への逆戻り志向が現状からさらに少しでも加速して、でもってこのトレンドが消費財デザインの範囲を超えて拡がったとしたら、近いうちに○○帝国建国とか奴隷制復活なんてことになっちゃうでしょう。そうなるしかないんじゃないか。