ミニ vs フィアット500 新車時の評価は? 比較試乗 後編

公開 : 2017.11.23 17:40

量ではなく、質をとった

とはいえミニ、キャビンがイイからあなどってはいけない。主に目につきがちな要素を重点的にふくらませるというリデザイン手法を外観同様こちらについても採った結果、例えばスピードメーターは今やそれ自体の重力場を形成することができるくらいまで巨大化した。

その一方で、ほかのスイッチギアはダッシュボード上にある隙間の奥のほうやセンターコンソールへと避難するのが精一杯。スタイル優先型人間工学が行き過ぎちゃったこれは典型的なケースだと思う。マトモじゃない。

でも見た目やフィールはイイ。クオリティは天高くハイレベルで、文字の書体からしてゴージャスそのもの。

フィアットのほうがチープに感じられるのは値段の安さを考えると別に不思議ではないし、それを補ってあまりあるくらいの魅力が新型500のキャビンにはある。

グーッと凝縮したラグジュアリー空間という網を張って待ち受けているのがミニだとしたら、チンクはさしずめ生まれついてのモテモテ君。人気者。頑張っちゃってる感じなしに。

またミニの場合と同じく、こちらにおいても美的センス方面はちゃんと重視されている。例えばレブカウンター内蔵のスピードメーター。パンダ用のと同じヒーターコントロール。

それと、この個体に関してはパステルクリームとブルーのデカい化粧パネル。ミニと比べて、これならかなりいいとこまできている。ほとんど僅差。ソソる度の強さで言ったら、新型トゥインゴその他のBセグメント各車はテンで相手にならない。

乗ると、ミニのほうがイイ。

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