シトロエンDS3 Dスポーツ e-HDi 115 エアドリーム
公開 : 2013.02.01 18:03 更新 : 2021.03.05 21:44
■どんなクルマ?
魅力的なシトロエンDS3の中のラインナップの中でも、最も魅力的なモデルといえるのが、このDスポーツe-HDi 115だろう。購入するための費用も決して高いものではなく、燃費も良く、そして静かというモデルなのだから。
2009年にデビューしたシトロエン製のこの小さなハッチバックだが、2010年に低燃費を誇るディーゼル・エンジンのe-HDiモデルが加わった。そして、更に高効率なDS3のディーゼル・モデルが、今年、2013年に加えられた。そのエンジンは1.6ℓで113bhpと27.5kg-mのパワー、トルクを持つ。しかも0-100km/hは10秒未満、燃費は26.3km/ℓを誇る。
そのスターター・ジェネレータのおかげもあって、そのエミッションは100g/kmを切る。その結果、英国では自動車税が免除される他、カンパニー・カーであれば購入税も14%に軽減されることになる。
■どんな感じ?
DS3は、過去3年間、われわれのスーパーミニのランキングでは常に上位にあるモデルだ。しかし、ハイエンドの1.6ℓのTHPエンジン・モデルと、他のモデルとの間に大きな隔たりがあったのも事実である。その隔たりを埋めるモデルが、この1.6 e-HDiスポーツ・ディーゼルになる。
このDS3、モデル・イヤー毎の変化は非常に少ない。新しい3D LEDテールランプぐらいが目につくところ。インテリアではダッシュボートのパターン・トリム、色違いのシート上部が新たになった。また、赤いハイライトの入ったアロイ・ホイールも採用されている。この他、ベーシック・モデルの81bhpの1.2ℓガソリン・モデルと、トップ・レベル153bhpのTHPに若干の変更がされた程度だ。
修正された1.6ℓのe-HDiは、DS3に非常に良くマッチングしたエンジンだ。われわれの経験と照らしあわせても、他のどのシトロエンよりも静かで滑らかだ。
スロットル・レスポンスも小型のディーゼル・エンジンとしては良く、パワーも均一にデリバリーされる。また、ピーク・パワーを発生する3500rpm付近を超えても、さしたる問題は起きない。
特に、ミッド・レンジでのトルクフルなフィーリングは、シャシーの長所を引き出すに充分だし、DS3のバランスの良さは特筆すべきだ。
スプリングとダンパー・レートは高い。しかし、このサイズの大部分のクルマに見られるよりもしっかりしてキチンとした反応を示す。確かに、17インチ・ホイールは小さな路面の凹凸を拾うことがあるが、それもちょっとした警告程度のもので、ドライブ自体は非常に愉しい。フィーリングもナチュラルで、バランスも非常に良い。
ステアリングも適切で、前輪とのコミュニケーションをしっかりと伝えてくれる。また、シフト・フィーリングも良く、ブレーキ・ペダルの踏み心地も良い。
極めて出来の良い4シーターだ。シートも大きく快適で、人間工学に基いて造られているし、総合的な完成度は非常に高い1台といえるだろう。
■「買い」か?
われわれのお勧めするナンバー・ワンのDS3は、THP155のままではあるが、このe-HDi115がナンバー・ツーの座に甘んじているというわけではない。元気があって、運転していて愉しく、それでいて短いテスト・ルートでも22km/ℓの実質燃費をマークした。ミニのようなローラースケーターに乗っているようなキャラクターでもなく、本当にリラックスできるクルマである。現実的な選択を考えれば、本当に望ましいモデルなのだ。
(マット・ソーンダース)
シトロエンDS3 Dスポーツ e-HDi 115 エアドリーム
価格 | 17,250ポンド(252万円) |
最高速度 | 190km/h |
0-100km/h加速 | 9.7秒 |
燃費 | 26.3km/ℓ |
CO2排出量 | 99g/km |
乾燥重量 | 1265kg |
エンジン | 直列4気筒1560ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 113bhp/3600rpm |
最大トルク | 27.5kg-m/1750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |