祝、日産GT-R 10周年 日の出から日の入りまで、547kmの旅にでた

公開 : 2017.12.02 10:10  更新 : 2018.01.10 17:51

悲惨な自動車専用道路 いきなり渋滞に

穏やかな村々を通過するときにはゆっくりと、そして静かにクルマを走らせるが、速度制限表示を通過した次の瞬間には、2段ほどダウン・シフトして、アクセルを踏み込み、エンジンをそれぞれのギアのリミッターまで使い切る。

恐ろしいほどの、そして視界がかすむような速度で、GT-Rは10年前よりもさらに驚愕のパフォーマンスを次々と見せつける。

そしてA14に達すると記念すべき瞬間が訪れる。ここでようやくこの国を横断する旅の半分を消化したことになるのだ。しかし、これは旅のデッドラインには良い知らせでも、われわれのヤル気には逆効果だ。

A14は英国で最もがっかりする道である。あっという間に素晴らしい舗装路は尽きて出口がやってくる。そして林業専用道路へと合流することになるのだ。

A14はダンテが神曲地獄編で地獄の最下層である第9層について書いた時には存在していなかったが、もし、このイタリアの詩人が再び地獄を描いたなら、間違いなくこの道を加えて10層構造とするだろう。

この悲惨な自動車専用道路では、われわれは味気ない退屈な景色の中をとぼとぼと進む太ったワニのようなものだ。そして、道路標示に示されるのは決して訪れたいとは思わないだろう町のチェックリストである。

コービー、ケタリングにベッドフォード。時速80kmくらいで延々とクルマの車列の後をついて行くのはまさに気が狂うような経験だ。

どこか前方にいるはずの大型トラックが忌々しくも追い越しもできない道でのろのろと進んでいるからだ。さらには永遠に続くかと思われる道路工事と、終わる事のない速度違反監視カメラ、そして果てしなく続く渋滞のもとになる故障。

最悪の状況だったが、何とか最初の目的地まで数マイルまでにたどり着くことができた。ブランティングソープの試験場に着いたのは午前11時少し前だった。

このレスターシャーにある2マイル(約3.2km)に及ぶランウェイを含めた施設では、GT-Rのすべてを解き放つことが可能なスペースを確保できる。ここで30分を過ごすことにした。

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