祝、日産GT-R 10周年 日の出から日の入りまで、547kmの旅にでた
公開 : 2017.12.02 10:10 更新 : 2018.01.10 17:51
リッチフィールド どんな会社?
世界でもトップクラスのGT-Rチューナーであるイアン・リッチフィールドは、自身の名を冠した会社を立ち上げると、まるで静かに獲物を追い詰めるハンターの如く、夢中になってGT-Rの物語を追いかけている。
「2007年に日産がGT-Rを公開したとき東京にいたんです」と彼は思い返す。「その時、われわれはスバル車のチューニングを行っていたので、新しいハッチバックのSTiモデルを見るために東京に滞在していました」
「日産はスタンドにGT-Rのカットモデルを展示していたんですが完全にマニア向けでした。ターボのサイズなんかを確認し始めたんですが、その展示に興奮してしまってすぐにこのクルマを購入したんです。そして運転してみたら、このクルマのすごさに気が付いて、そうしたらスバル車の開発計画なんかすぐに棚上げになってしまいました」
「GT-Rは違う星からやってきたクルマのようでした。当初、GT-Rのチューニングはエグゾースト・システムと少しばかりのECU変更だけだったんですが、いまではその内容は多岐にわたっています。おそらく、この国にあるGT-Rの半数は診ていると思いますね」
「毎日5〜6台がチューニングかメンテナンスのために入庫します。最近ではオリジナルのエンジンブロックの開発も行っています。ノーマルのブロックの場合、1,014psくらいで徐々にクラックが入り始めるんです。それに、ニュルブルクリンクを7分以内でラップできるクルマの開発にも取り組んでいます」
これほどまでにこの10年でGT-Rのチューニングは進歩しているのだ。リッチフィールドはGT-Rについて、情熱的に、且つその豊富な知識をもって語ってくれたので、数時間もここで過ごしてしまった。実際、クルマに戻って初めて45分も予定の時間をオーバーしているのに気付いたほどだった。これからまだ190km以上も旅は残っているのに、日没までに残された時間はちょうど3時間だ。プレッシャーがかかってきた。