祝、日産GT-R 10周年 日の出から日の入りまで、547kmの旅にでた

公開 : 2017.12.02 10:10  更新 : 2018.01.10 17:51

果たして日没までに間に合ったのか

暗雲が垂れ込めてきたのは日没までにアベリストウィスに到着しようというわれわれの計画だけではない。A44を選択してヘレフォードシャーを越えてアクセルを踏んだ。

幸いにもA44はA14とは全く違っている。例えば、この道は驚くほど素晴らしい景色を楽しませてくれる。特に1年のうちこの時期には木々が色づき、紅葉でまばゆいばかりに煌めいている。

さらには道そのものが美しく上下し曲がりくねっている。更にはさびれた田舎道でもないのに、このクルマの運転を楽しませてくれるためであるかのようにこの道はその方向を度々変えるのだ。

境界を越えてウェールズに入るまでには状況が明らかとなってきた。上空に掛かる雲は暗く重いもので、にわかにはこの雲が浮かんでいるとは思えなかったほどだ。

ラアアデルを越えて、エラン・バレーに入ったが、計画ではルークが壮大な景色を撮影し、わたしはGT-Rを限界まで攻め込む予定だった。真っ黒な霧や激しい雨など予想すらしていなかったのだ。

時間が刻一刻と過ぎていく中、われわれはしぶしぶアベリストウィスへ向けてアクセルを踏み込むことにし、日没まであと15分というところでこの海辺の町に辿り着くことができた。オールドバラでは既に日没だっただろう。

残念ながらわれわれの努力が報われる事はなかった。このためにわれわれが駆け抜けてきた光り輝く日没ではなく、厚く不快な霞がゆっくりとグレーから暗い漆黒へと色を変えていく。

しかしこの旅は景色や太陽光が見せるショーのためではなかったのだ。この旅はGT-Rのものだった。

10年前に日産が時代を変えたこのスーパークーペは、数年経った後も依然として東海岸から西海岸へと太陽を追いかける旅を楽しませてくれるマシンであり続けているのだ。

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