MG、中国「上海汽車」の救済で見えてきた今後 2019年にはEVも
公開 : 2017.12.03 11:40 更新 : 2017.12.14 12:35
見据える、新たな方向性とは
新たな方向性といっても完全な計画の変更ではないが、適切な修正であり、この中にスポーツ・モデルが含まれていることは、SAIC英国会社社長のデビッド・リンドレーと英国デザイン責任者のカール・ゴーサム、そしてセールス&マーケティング責任者のマシュー・シェインとの対話のなかで確認することができた。
この新たな方向性は新しいZSのデザインのなかに見つける事ができる。新しいグリル・デザインを与えられたこのより格好良くなったクルマは、MGの新たなフロントマスクのデザインを示している。
「ZSはわれわれの新たなデザイン言語であるエモーショナル・ダイナミズムが採用された第1弾となります。これは顧客との繋がりに関して、よりエモーショナルであろうとするMGの変革プランの一環なのです。世界中で多くの人々とエモーショナルな繋がりを持つことができたと感じています」
これは決して過去のデザイン・テーマの焼き直しを意味するのではない。「われわれは回顧主義やヘリテージ・ブランドになろうというのではないのです。それは間違った方向でしょう」と言うのはグラハムである。
「しかし、もちろんMGには偉大なブランド価値がありますから、それを活かさない手はありません。ですからデザイン言語はよりエモーショナルであるべきではあっても、あまり挑戦的なものではいけないのです」
「ですから、いまわれわれは少しその方向性を変えながらデザインの質を上げようとしているところです。中国では、顧客は間違いなく高い品質を求めており、その要求レベルはどんどん上がっていますから」
彼らはEVにも注力しており、その理由についてゴーサムは次のように語る。
「中国は巨額の補助金をテコにEV普及に向け非常に積極的な対応を見せています。ご存知かも知れませんが、いま中国では自動車購入に必要な生涯有効のナンバープレートを取得するのに8000ポンド(118万円)程度が必要な一方で、EVの場合には無料なのです。つまり中国におけるEV化というのは単なる掛け声ではなく、実際その実現に向けて猛烈に政策を進めているところなんです」
MGも同様である。