MG、中国「上海汽車」の救済で見えてきた今後 2019年にはEVも
公開 : 2017.12.03 11:40 更新 : 2017.12.14 12:35
SAIC経営陣 「19年にはEVを」
4月の上海モータショーで公開されたMGのEモーション・クーペは「コンセプト・モデル」だとゴーサムは言うが、一方で「ある意図を持って製作されたモデルです。時期についてはっきりと申し上げることはできませんが、製品化に向けた具体的な検討をすることになるでしょう」とも語っている。
他のSAIC経営陣によれば、Eモーションは2019年の発売が計画されているとのことだ。SAICは3秒台の0-100km/h加速と483kmの航続距離を喧伝している。このクルマは従来型ガソリン・エンジン・モデルとほぼ同じプロポーションを持つ100%のEVモデルである。
「少しばかりの英国風味に加え、そのプロポーションにはより明確な英国の高級感が感じられることになります。つまり高級感と人々がハッとするような存在感です。スポーツカーではありませんが、2+2のEVスポーツなのです」とゴーサムは言う。
英国風味には販売上の理由もある。「世界中で英国風にはプレミアムな価値があるんです」とゴーサムは語る。「中国の顧客に対しては特にです。ですからMGを英国ブランドと位置付けるという事は、われわれが求めるプレミアムな製品体験という価値をも提供することにもなるんです」
このことはロングブリッジにあるSAIC英国のテクニカル・センターが行っている方向性の変更にも合致する。リンドレーはここの責任者である。
彼はMGローバーとローバー・グループを買い取る以前からSAIC英国の経営に関わっており、大きな変化をその目で見てきた人物だ。そして、今はEVへの急激なシフトとSAICでの開発スピードの早さというそれ以上の変化を目撃している。
この10年に及ぶ関係のなかで、SAICは上海で総勢4000人ものエンジニアリングとデザイン部隊を集め、今ではロングブリッジも完全に一体化されたサテライトとして重要な共同ミッションに従事しているとリンドレーは語る。
「現在注力しているのは商品開発プロセスのごく初期段階です」と彼は切りだす。