ベントレー・コンチネンタルGT 2018年モデル 海外初試乗
公開 : 2017.12.04 11:40
12気筒エンジンを載せるメリット
恐らく多くのひとは、サスペンションも、ステアリングのレスポンスも、しっかりした手応えのものを好むはず。しかし、エンジンを強固にシャシーにマウントすることは、実は難しい問題なのだ。
度を過ぎると、エンジンの発する振動が自然な上質さを削いでしまうし、緩すぎると、300kgもの塊がコーナーやレーンチェンジの度に揺さぶられ、クルマは不安定さを増してしまうからだ。
そのため、完全にバランスの取れた12気筒エンジンを搭載することは、高級さを生むのにはメリットが大きい。理由は、6の倍数の気筒数を持つエンジンの場合、シリンダーの上下運動よって生まれる1次・2次振動が完全にバランスされ、振動がほぼ生まれないため。
コンチネンタルGTに搭載されるW12エンジンは、もともとはベントレー・ベンテイガのために開発されたもの。635psを6000rpmで、91.6kg-mを1350rpmで発生させるが、前モデルの最強版と比較して、飛躍的なパワー向上は行われていない。
このエンジンは、オフロード走行が不要となったため、80ものコンポーネンツを変更。バランスは完全ではないが、V6エンジンを2機並べたような配置であり、クランクシャフトを共有することで、驚くほどコンパクトにまとめられている。
エンジンの全長が短いため、フロントアクスルは前モデルと比較して135mmも前方に移動。前モデルの重量バランスは60:40だったのに対し、新型は55:45を実現しているのだ。
ベントレーは、この12気筒は全世界で最も進化したエンジンだと主張する。低負荷時に6気筒と2機のターボを休止させるだけでなく、ふたつの燃料噴射システムが搭載されているのだ。
少し旧式に思えるポートインジェクション・システムが、インジェクター音を排除し、アイドリング時や低回転時の静かさや上質さに貢献。高負荷時やスロットルを大きく開けた場合は、最新式の直噴システムが作動する仕組みとなっている。
次は、高級さとは別の側面でプラットフォームをみてみよう。