インタビュー 「のるか、そるか」 80歳、ダラーラ創設者の「決意」
公開 : 2017.12.09 11:40 更新 : 2018.03.23 21:15
「大企業と競争しようとは思いません」
彼の工場兼オフィスで行った今回のインタビューのハイライトは、1966年のイタリアGPで当時できたばかりのミウラを彼がジム・クラークとチャップマンに紹介している白黒写真だ。
「チャップマンが見せてくれとやってきたので、彼に一通り説明したんです」とダラーラは言う。「彼は気に入ってくれました。同じようなものを作りたかったんだと思います」
ダラーラは最も影響を受けたスポーツカーとして、以前勤めた会社のエキゾチックカーではなく、チャップマンのロータス・セブンを引き合いに出す。なので、ストラダーレでも同じやり方をしようとするのは、考えてみれば当然のことだ。
「公道を走るクルマの生産は、これからもわれわれの本業ではありません」とダラーラは言う。「GTを作っているような大きな自動車会社と競争しようとは思いません。別世界の会社です。フェラーリに行けば、フェラーリになろうなんてことは絶対無理だとわかりますよ」
「わたしは軽くてシンプルなクルマを作りたいといつも思っていました。花の香りを嗅いだだけで空気の流れを感じるような」
ストラダーレ・プロジェクトの前身は19年前に始まったが、何度も中断された。
「いつも優先すべき仕事があったんです」とダラーラは言う。「でも3、4年前に気づいたんです。今やらなければ永遠にできないとね。わたしも80歳間近だったし、もうそんなに時間はないと」