BMW X3 20d Mスポーツを国内試乗 「安定のBMW味」堅持

公開 : 2017.12.06 11:40

どんな感じ?

「とにかく安定して曲がる印象」と筆者

エクステリアもインテリアも初見なのに既視感たっぷり(?)の新型X3だが、質感や実用性は文句なし。ポルシェではないが、思わず「最新が最良」という常套句が口をついてしまう。従来よりわずかに高めたというヒップポイントもあって、運転席の視界や開放感も優秀である。

Mスポーツは19インチタイヤと固定減衰のスポーツサスペンションが標準装備だが、とにかくステアリングがクイックで、しかも不思議なほど上屋がピタリと動かない。

ロール剛性は印象的なほど高いが、かといって単純に硬いだけでもない。少なくとも今回の試乗コースとなった箱根ターンパイクでは、路面の凹凸をアシ先だけでさばききる所作はなかなか見事である。

まあ、そのぶん、路面によっては左右に強く揺すられてしまうケースもあるし、接地感に物足りなく思われる面もなくはない。ただ、この種の背高SUVでシャシーに特別の可変デバイスも持たないままで、これだけの俊敏性と安定性、快適性と安楽さを両立させた点は素直に評価すべきだろう。

そうしたシャシー特性もあって、X3のMスポーツはとにかく安定して曲がる印象だ。

4WDも以前より積極的にフロントにトルク配分するようになっているそうで、水平姿勢のままグイグイ曲がっていく独特感には、この4WDの恩恵も大きいと思われる。

さらに、横滑り防止装置を介入制限する「DTC」モードにセットするとリアが踏ん張りすぎず、いかにもコントローラブルにスルリと曲がってくれる調律は、間違いなく確信犯だろう。

自動ブレーキや俯瞰カメラ、そしてACC(アダプティブクルーズコントロール)や車線キープ機能などの先進安全&自動運転系デバイスはすべて全車標準装備。

現時点でも世界的に高度な部類に入る5シリーズのそれに準じた内容で、とくに車線キープ機能はかなり強力。不用意に左右の白線に接近すると、まるで見えざる巨人の手が下りてきたかのように車線中央に引き戻される。

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