新車、中古車どっち? ジャガーF-タイプ2.0ℓ直4 vs アウディR8 4.2ℓV8 後編

公開 : 2017.12.09 16:40

R8のV8 4000rpm以上は「一気」

一方、R8ではいつでも必要なパワーを取り出すことができる。必要なのは回転を上げることだけだ。

エンジンが目覚めたときのサウンドはジャガーよりもそれらしく、回転数を上げるとさらなる刺激と雄叫びがやってくる。このV8エンジンはアイドリングからスムーズに回転を上げていくが、その真骨頂は4000rpmを越えてからであり、タコメーターの針は7000rpmまで一気である。

その間、エンジン内部の動きを五感で感じとることができ、F-タイプよりもより明確にその存在を意識することになる。

アルミニウム製シフトの操作は見た目通り素晴らしいメカニカルな感触を感じさせ、ギアチェンジの際には金属をハンマーで叩くようなサウンドを発する。しかし、オートマティック・ギアボックスのF-タイプに比べれば動きの遅い内部ギアのせいで、2段階のアクションが必要となるシフトは速い操作には向いていない。

われわれのテストコースにあった曲がりくねったコーナーでは、このシフトがドライビングの楽しみをスポイルしたが、非常に軽いタッチでもヒール&トゥを決める事ができるエンジン・レスポンスがその埋め合わせをしてくれた。

ジャガーは2.0ℓエンジンを積むF-タイプのステアリングに「フィーリングとフィードバック」を加えたと主張しているが、それでもステアリングを通してより素晴らしいコミュニケーションが行えるのはR8の方だ。

その油圧アシスト付きステアリングの操舵感はジャガーの電動アシストに比べて重いが、より多くのフィールと、その重量差にもかかわらず、より引き締まったボディ・コントロールとシャープな反応を示してくれる。

R8はF-タイプが知らない積極性とグリップ・レベルでコーナーを貪りつくし、そしてそこにはドライビングの素晴らしさが隠されている。

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