クラシックカーフェスティバルin桐生 写真70枚でレポート

2017.11.5

群馬県からレポートです。2006年から始まった「クラシックカーフェスティバルin桐生」が、桐生の人々に親しまれて、12回目を迎えました。

text & photo:Yasuhiro Ohto (大音安弘)

桐生 地元の旧車好きが始めたイベント


織物の街として知られる群馬県桐生市で、2006年より開催される「クラシックカーフェスティバルin桐生」は、今年で12回目。旧車ファンだけでなく、地元の人々からも愛される秋の恒例イベントまで成長した。昨年より参加資格を1980年以前の車両としたことから、様々な車種と台数が集まるようになり、更なる盛り上がりを見せている。

会場となるのは、第1回より協力を得ている群馬大学の桐生キャンパスで、地域の方々になじみの場所であるため、子供から大人まで気軽に参加車両を見て回れるアットホームな雰囲気も魅力。当日も早朝から、熱心なクルマ好きに加え、近隣にお住いの方々も足を運び、続々と会場入りする珍しいクルマたちに見入っていた。

ロータス47GT 日産フェアレディZ432R ブガッティ

目玉となる特別展示には、モータースポーツとゆかりの深い3台が並んだ。青と白のツートンがスポーティなロータス47GTは、1969年の日本グランプリに高野ルイ・吉田隆郎組が出場したもので、総合9位。クラス優勝に輝いたものだ。その隣には、日産フェアレディZ432Rが並ぶ。432Rは、GT-Rと同じS20型エンジンを搭載する432のレーシングベース車で、総生産台数はわずか23台。そのなかで市販され、現存する貴重な1台だ。432との違いは、フロントガラス以外をアクリル化。ボンネットはFRP製とし、さらに内装やオーディオ、時計などを排して、徹底的な軽量化が図られた。そして、もう1台は、エンジン始動のデモンストレーションも実施されたブガッティ・タイプ35タルガ。1926年に、シチリア島で行われたタルガ・フローリオレースに参戦し、優勝を果たしたモデルだ。自動車番組「カーグラTV」のオープニングを飾っていた1台と聞けば、思い出す方もきっと多いはずだ。どのクルマも、なかなか実車にはお目に掛かれないとあって、展示エリアには多くの人が集まっていた。

草木湖畔までのパレードラリー開催

午前中には、桐生キャンパスから草木湖畔までパレードを兼ねたラリーを開催。歴史ある桐生の街中を多くのクラシックカーが駆け抜け、コースとなった街道沿いに住む人たちの目を楽しませた。午後になると、ラリーを終えた車両たちも戻り、展示車が更に充実。キャンパス内のあちこちに飾られた参加車両をじっくり楽しむには、1日が必要と感じるほどだ。参加するオーナーたちもフレンドリーな人が多く、参加者同士はもちろんのこと、珍しいクルマに関心を抱いた来場者との交流も参加におこなわれていたのが、印象的だった。

お昼は、地元飯を中心に様々な料理が手頃な価格で楽しめた上、群馬大学の学生食堂もオープン。懐かしの学食を楽しむこともでき、食べ物のおいしさと安さに筆者もつい食べ過ぎてしまった……。きっと恋人や家族を連れて出かけても喜んでもらえるだろう。

閉会式の後、大学の正門から退場するエントラントと車両を来場者が手を振って見送るなど、実に暖かく居心地の良いイベントであったのが印象的だった。色々なクルマが見られる楽しい場所として、もっと気軽に多くの人に尋ねて欲しいと感じた。
 

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