アルファ・ロメオの新SUV、ステルヴィオに試乗 クアドリフォリオ、サイズ以上の能力
公開 : 2017.12.13 11:40
どんな感じ?
SUVにできないことができる
ストレートではものすごく速く、コーナーでもしっかりと地面をグリップし続ける非常にパワフルなSUVはいくつかある。しかし純粋にドライビングを楽しめるSUVは多くない。ステルヴィオQVは間違いなく後者だ。
背が高く、重量も軽くはなく、重心高も高いため、必然的にジュリアQVとは程遠いものになりそうだが、実際にはボディ・コントロールの精密さは驚くべきレベルであり、コーナリング・バランスも理想的なニュートラルだ。
ステアリングはダイレクトかつクイックで情報量も豊富、ターン・インでのフロントの入りも適当だ。攻めていくとプッシュ・アンダーが顔を出すが、フロントのグリップは十分なので、ワインディング・ロードでもスポーツカー同様のペースで走りることができる。
四輪駆動システムはすべてのパワーと61.2kg-mのトルクを効率よく地面に伝える。コーナーで不用意にアクセルを踏み込めばテールは少し流れるし、カーブの立ち上がりでスロットルを開けるのが早すぎればアンダーステアーとなるが、ほんの少しの操作で四輪は完全にコントロールを回復し、全く無駄なくエイペックスを脱出することができる。
ジュリアQVのようにオン・スロットルでクルマをコントロールする楽しみはないが、トルク・ベクタリングのおかげで高い着座位置に似合わない積極的な運転が可能であり、アジリティ・レベルも高い。
安定性の高いシャシーはコーナリングの途中でちょっとラインを変更することも許容する。たいていのSUVでは曲がり始めたら最後、途中でラインを変更するなんてことはできないのだが。