新型フォルクスワーゲン・ポロ「GTI」試乗記 2018年型は「正当派」
公開 : 2017.12.14 11:40 更新 : 2018.01.11 18:08
「買い」か?
有力候補ほどキャラ立たず ただし正統派
ゴルフを除けば、フォルクスワーゲンで最良のGTIベースのドライバーズカーであることは疑いようがない。以前のどのポロよりもGTIという名に相応しいホットハッチだ。ただ、よく聞いてほしい。ポロGTIは改善の余地の全くないクルマではない。
また、カルステン・シェプスダートや彼のチームが目指していたクルマそのものであるにしても、あなたの週末ドライブを活気づける最良のホット・スーパーミニでもないかもしれない。
お財布にやさしいお手頃なホットハッチならば、わたしにはもう少し小さい方がベストだ。わかりやすい走りのスリル、溢れんばかりの高性能、通常速度での惚れ惚れするようなハンドリング。偉大なクルマはこれらをみな兼ね備えている。
ゴルフGTIのダイナミックな性能を小型化すること、その企みはこのポロGTIで初めて見事に成功したわけだが、そうすることでスーパーミニのライバルたちを出し抜くようなクルマが作れるのかどうか、わたしにはわからない。
手短に言えば、わたしはフォード・フィエスタSTやミニ・クーパーSを差し置いてこのクルマを選ぶことはないだろう。またより大きなクルマやゴルフGTIのように、毎日使うために、あるいはすべての旅行に使うためにこのクルマを買うことも想像できない。仮にそうすれば、おそらく新しい魅力も見えてくるのだろうが。
もしフォルクスワーゲンがクラス最高のクルマ作り競争に勝っていれば、めでたしめでたしとなっただろうが、一方で、フォルクスワーゲンはスーパーミニのカテゴリーに新風を吹き込んだのだのは事実。高級、魅力的、実用的、GTIバッジにふさわしい均整といった新風を。
決して姑息なやり方ではない。