リストラが欧州フォードを救った? 当時の中心人物に聞く、企業の勝ちかた
公開 : 2017.12.17 11:40 更新 : 2018.04.26 14:53
リストラの主導者 何を見据える?
彼はタフだが公平なロムフォード生まれの英国人で、2012年に始まったフォードの欧州ビジネスのリストラを主導した。
全従業員数の大幅な縮小を断行し、その結果、英国では工場が2カ所、ベルギーでは1カ所閉鎖され、ドイツ、ロシア、ルーマニアでは業務が縮小された。
当時、それは進歩だとは見えなかったかもしれない。しかし、これによってビジネスは需要に見合う規模となり、欧州における会社の将来は安泰になった。
いま、フォードと「いくつかの会社」は、素晴らしい新世界に向けて底力を発揮し始めている。
「電動自動車が流行の兆しを見せ始めた10年、いや15年前、世界が急激な変化の時代に突入したという事実が見え始めたのです」とオデールは説明する。彼は1980年入社だ。
「すべては電動化されるのだと新分野の専門家に聞かされました。われわれのような会社の将来はご破算になるとね。株価と投資評価の両面で」
「新たな道を歩き出すには、われわれは大きすぎて柔軟性がなさすぎると思われていたんです。でも、それは間違いでした。グローバルな自動車メーカーは上手くやり遂げていくだろうし、すでにそれを実証しつつあります」
もちろん克服すべきことは山ほどあるとオデールは認めるが、財政基盤がようやく安定してきたフォードは、ニューモデルへ十分な投資をすることができる。これによって新たな基盤が作られるはずだ。
今後の展望を聞いてみようではないか。