後編 高速グループテスト ヴェイロン vs 911GT3 RS vs ガヤルド・スーパーレジェーラ vs DB9 vs R8 回顧録
公開 : 2017.12.17 16:10
早々に離脱するクルマが……
さらに、ここがDB9ならでは美点だが、絶妙にバランスの取れたハンドリングは甘美なほどで、走っているときに訪れるすべての事象をゲームとして楽しめる。それは60km/hで流しているときも、100km/hでドリフトしてタイヤのショルダーをすり減らしているときでも変わらない。
ただし、そのゲームはほかのクルマたちが参加しているものではなかった。それこそがDB9をスーパーレジェーラやGT3RSと同列に語れない理由である。
もっともこの事態は、比較試乗する前からある程度予想できていた。それでもこのクルマを招待したのは、対抗としてフェラーリ599を用意する予定だったからである。もっとも残念ながらそのプランは実現しなかったが。
というわけで、フェラーリ599が参加できなかったことにより、DB9は自らのステージを独力で演出しなければならなくなってしまった。
キャビンの後方にエンジンを置くクルマたちに囲まれたDB9に場違いな違和感を覚えるとしたら、つまりそういうことである。アストン マーティンの名誉のために付け加えておくが、われわれ全員がDB9を運転する順番を心待ちにしていた。編集部へ帰還する長丁場の強行軍をこのクルマでこなした担当者も、最高の体験だったと述べている。
さて、他方アウディR8だが、このクルマにもDB9と同じことが当てはまる。