レクサスLS新型、試乗 LS500/LS500hの2種 Sクラスとの価格比較も
公開 : 2017.12.18 11:10
走り「スムーズ」というより「ウルトラスムーズ」
始動は音もない。スタートボタンを押すとシステムに灯が入り、ハイブリッドシステムが目覚めたことはモニターで確認できる。
革で巻かれた大ぶりのギアセレクターをDレンジに短いストロークで入れると、LS500hはじつにスムーズに発進した。
スムーズと書いたが、このクルマを表現するのに最もいい言葉ではない。よりふさわしいのはウルトラスムーズだろう。アクセルペダルの踏み込み量はごくわずかでも加速性はよく、市街地では交通の流れをリードできる。
電気モーターだけで30.6kg-mもトルクがあるから市街地のEVモードでも十分速いのだ。今回のシステムはエンジン最高出力を使用できる車速領域が従来の時速120キロから(ガソリン車と同等の)時速160kmに引き下げられている。実用上カバーする範囲が拡大しているのも特徴だろう。
レクサスによると「従来の5ℓV8ハイブリッドを上回る駆動力を生み出し」ているそうだ。体感的に納得できる加速力である。
車内はほとんど無音。足回りはエアサスペンションで、細かい凹凸はよく吸収してくれる。乗り心地としてはその意味では悪くないし、シートクッションがぶ厚く、ショックはていねいに吸収してくれる。しかし足裏への振動とともに、やや対角線上に車体が揺れるのが気になった。
自分でステアリングホイールを握っているときは、車体の反応も全長5.2mあるクルマとは思えないほどダイレクトで、楽しい。ひょっとしたらレクサスはつねに心が熱いドライバーズカーなのかもしれない。
サイクルスポーツセンターで、422psの最高出力と61.2kg-mのV6ガソリンエンジンのLS500を操縦したときも、運転が楽しいクルマだというのが終始一貫した印象である。
このときは先に触れたようにまだ登録されていない(デリバリーが始まっていない)ということで場内だけの試乗に限られたものの、後輪駆動とAWD(総輪駆動)をともに試すことが出来た。
専用の6ポッドアルミモノブロックキャリパーを使うブレーキシステムをもったLS500 Fスポーツはここで堪能できた。