シボレー・カマロ6.2ℓV8 2017年型に試乗 古典的マッスルカーの性格は健在

公開 : 2017.12.27 11:40

操舵感/乗り心地は不満 キャラは強く

俊敏でレスポンスのよいステアリングは、ターンイン時に若干の問題を引き起こす。何故なら、このカマロは先代に比べて軽量とはいえ、それでも1659kgもあるのである。

コーナリングの初動で、人工的な神経質さを感じる。その挙動がクルマ全体を従わせてしまうことにより、結果的に不自然な挙動を生み出すのである。俊敏でレスポンスのよいステアリングと表現するジャーナリストもいるのだろうか。わたしはシャシー全体とのマッチングはよくないと思った。

でもこれは、洗練されたスポーツカーのなかではあまり多くみかけない、アメリカン・マッスルカー的特徴が未だ存在するともいえるのだろうか。道路では未だとても大きなクルマに感じられ、人馬一体というよりも車体の挙動に合わせる運転を強いられる。相当な高速域であっても、である。

流体磁性ダンパーをもってしても、路面の変化によって車体は上下に大きく振れる。しかしそれは、しなやかさや緩さを意図しているわけでもない。つねに突きあげに悩まされるわけではないのだが、急な段差やくぼみではドスンという衝撃が車体全体に響く。

とはいえ、(独自であるが)キャラクターのハッキリとしたクルマであることは認める。それは、ボンネットの下に6.2ℓのV8エンジンがあるからという、単純な理由だけではない。

努力を必要とせず速く感じられ、当然トルクはリッチであり、サウンドトラックはまごうことなき暴れん坊のV8である。その排気量からは想像できないが、こ6500rpmのレッドラインまで、猛烈に一気に回るのもいい。

8速オートマティックはスムーズであり、躾が行き届いている。しかし、パドルで行うマニュアル・シフトに関しては、トラックモードであっても、変速ラグが存在する。

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