BMW M5新型、4.4ℓV8ターボや4WDを検証 AMG E63との違いも
公開 : 2017.12.28 11:40 更新 : 2017.12.28 11:59
AMG E63との相違点は?
上記の全てのコンビネーションにおいて、後輪駆動を選択していなければ、電子制御を完全にカットすることができる。こうしたドライビング・モードを選択するために、センター・トンネルには無数のボタンが並ぶが、ステアリングには、ふたつの赤いボタンが設置され、好みのコンビネーションを記憶させておくことができる。
一言でいうと、この新型M5は、最も近いライバルであるメルセデス-AMG E63と比べて、静かで落ち着いたクルマである。いつしか、ジャガーは、スーパーチャージャーで過給した5.0ℓV8を搭載させたクルマを導入するだろうが、それは騒々しいクルマになるであろうから、この新型M5は、洗練された控えめなクルマなのである。
キャビンの中で耳に入るエンジン・サウンドはオーディオ・スピーカーによって脚色されるが、エグゾースト・サウンド自体にもふたつのモードがある。しかし、このM5は、E63と比べた時、視覚的にも聴覚的にも、控えめなスーパー・サルーンなのである。
そのことは、このクルマの走りのキャラクターにも反映されている。ダンパーの設定によらず、このクルマは、メルセデス-AMGのそれと比べた時、より衝撃を吸収し、静粛性を保つ。
つまりわたしが思うに、このクルマは520dと同じくらいの早さで、あなたの生活に馴染むことだろう。考え抜かれたエルゴノミクスにより提供される快適性、比較的抑えられた静粛性、そして、これにしなやかな乗り心地とくれば、スーパー・サルーンの常識では、若干保守的な部類に入る。
このクルマは「スーパー」である前に、「サルーン」であることを伝えてくれるが、「スーパー」の境地を垣間見たいのであれば、それは冒険に値するだけの価値をみせてくれる。
ステアリングは、とても軽くそしてとても速い。このステアリングの操作で、車重が軽いと思わせるようなトリックは、フェラーリのようである。想定されるよりも、より俊敏であるが、一方では、このようなクルマにそうであって欲しいと多くは願うとおりに、直線ではとても安定しているこれは、自身のサイズとは無関係に、俊敏と思わせるクルマである。
それは、あたかもサルーンが俊敏さとドライビングのアピールをするクラスが存在し、このクルマの下にも似たようなクルマが存在するかのようである。