マツダMX-5初代 英国では大バーゲン 歴史や中古相場を見つめる

公開 : 2018.01.06 15:40

MX-5 産声をあげるまで

モーター・ジャーナリストの(そして後にマツダで働いた)ボブ・ホールが、1979年に初めて安価で誰もが購入できるライトウエイト・スポーツカーのアイデアを披露したとき、彼はまさかマツダの北米にある開発拠点トップの福田成徳も同じようなアイデアを持っているとは思いもしなかった。

彼らが1983年にペブルビーチで初めて会い、お互いが同じようなアイデアを温めていたことを知った時、このライトウエイト・スポーツカーのタネが撒かれたのだ。そして、程なくしてMX-5開発計画の出発点となる企画書が日本へと送られた。

それは多くの英国製クラシック・ロードスターへのアンチテーゼでもあった。信頼性と均一で正確な組立品質を誇ることで、MX-5はデザインだけでなく、その成功でも彼ら先行モデルに続こうとしたのだ。

マツダは開発調査の過程で、ホールが経費で購入したロータスエランを日本へと送っていた。エランはマツダの三次にあるテストコースに持ちこまれ、そこでこのクルマが何故史上最も優れたハンドリングを持つ1台として評価されているのかを徹底的に検証する作業が行われた。

多くのひとは遠目からでもエランとMX-5の共通点に気付くはずだ。MX-5のリア・ランプとポップアップ式ヘッドライトはエランを彷彿とさせ、スッキリとしたボディラインと全体のプロポーションは言うまでもない。当初採用予定だったオリジナルの8本スポーク・ホイールも「ミニライト」そっくりだった。

似ているのは外見だけに留まらない。

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